【映画】「ケープタウン(ZULU)」みた

amazonプライムビデオで見放題対象になっていて、長らくウォッチリストに入れていたものの見ていなかった映画が本日(5月6日)見放題最終日だったので見た。ちょうど何か見ようと思ってたところだったし。

ケープタウン(ZULU)

 

以下、感想(ネタバレ含む)

 

暴力、やくぶつ、性的なシチュエーションということでR15作品なんですが、容赦なかった……どんどんひとがしぬ……

南アフリカはケープタウンが舞台で、植物園で女性がころされているのが見つかったため警察が捜査を開始。主人公たちは警察の刑事たち。

まあ出てきたひとはみんなしんでしまうか何らかのぼうりょくに会うと考えてみててまちがいはないでしょう……何ていうか、物語には優しさというか甘さというか、「○○したら命は助けてやる」とか、こういう間柄の人は無残に殺されたりしないでなんかのちからが働いて命を取り留めるんだと思うじゃないですか。そういうの無いですよこの映画には……

序盤で、刑事たち三人はもともと親しかったようでホームパーティーをしたりするんですよ。そこで黒人警部のアリさんの部下の妻がアリさんたちの上司にあたる人を激しくののしるわけですよ。差別主義者で何人もの黒人をころしたやつだ、その後許されて以前よりお金も得ているなんて!と。それを聴きながらアリさんは複雑な気持ちになりつつも、「僕を登用したのもその人だし、マンデラ大統領はかつて”和解するためには敵と一緒に働くんだ、そうすれば仲良くなれる”と言っていたよ」とマンデラさんのことばを引用しながら「彼を恨んでいない、差別は過去のことだよ」というわけですよ。

そんなアリさんが……とてもいい人だったアリさんが……いい人なのを何度も踏みにじられ、正義を守っていたら結局大切なものをどんどん失っていき、復讐の鬼となってしまう……


でも、そんな心の動きは納得のいく描写だったな。そりゃそうだろってかんじだし、動機付けとしてはもっと早めに心を壊されてしまって復讐の鬼になるというプロットもあるだろうしありがちに思えるけど、この映画はもっともっと抑えた表現で、アリさんは最後の最後まで正しく悪と対峙しようとしていたように見えた。それは個人だけが背負っているわけではない、「過去」と「差別」との戦いのようにも見えた。でも数々の蹂躙と、過去の記憶・体験による「諦観」というか、結局この差別と現在の社会は「どうしようもないもの」なのだとあきらめてしまったのだろう。最後は個人的な理由で行動し暴力を暴力で返して、自分にもその果てに死が巡ってくることを受け入れてしまったというか……


あんまりにも救いがなかったし、ちょっと必要以上に恐ろしい場所のように「ケープタウン」を描いていたので最後の方は変な笑いが出て「オイオイw」って笑っちゃった……

ケープタウンのタウンシップとすぐそばにある素晴らしい景観と、都市と、富裕層が住む立派な家々と、きれいな浜と海、最後には移動してナミビアの広大な砂漠まで見れるので映し出される景色はすごくいいですよ。ギュッと詰まっててワタシ的にはすきな風景がたくさん見られてよかった~。

フランス映画なんだってことを見終わってから知った。英語とアフリカーンス語(と、もしかしたらズールー語)で会話が進むのでそのあたりも見どころ。

原題は「ZULU」なんですね。これもちょっと短すぎて「そんなタイトルでいいの?」って感じかなあ。 テーマはズールーの問題ってわけでもないし……だからと言って邦題の「ケープタウン」もいまいち……。「そこは神に見捨てられた街」っていうキャッチもひどいと思うよ。

【映画】「シンドラーのリスト」観た

「シンドラーのリスト」見ました。初めて。

その前まではアウシュビッツのドキュメンタリーとインタビューの番組を見ていたから、じゃあその流れで観てみようかなと。
2021/02/18 アマプラで見たシリーズ紹介「アウシュビッツ ナチスとホロコースト」

すっかりこの映画の存在を忘れていた。amazonプライムビデオのウオッチリストに入れていたんだけど、なかなか見る機会が無くて。あとどういう内容かもなぜか全然知らずにいた。ユダヤ人と収容所の話だったとは……いやさすがに知らなかったわけじゃないだろうけど、ドキュメンタリーを見てから改めてその辺のことを調べてたら「映画・シンドラーのリストでは……」と言及されてたり、関連作品として出てきたりして「あ~そうだったか」と思い出したというか。

英語の勉強にもなるかなと思って。ただ初めて見る作品だからその辺はどうしようか迷った。それについてはまた英語の勉強メモの記事に書きますわ。
英語の勉強まとめ

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感想

ガンガン ネタバレしようと思うけど……ネタバレとかそういうお話ですかね? もう30年近く前の映画だし。私以外はみんなみてるでしょ。

でも「いつか見たいので内容は知りたくない!」という人はこの先を見ずにとにかく映画を早く見れ。見れ……

あらすじを追ってもしょうがないのでその辺は端折る。


バディものだった

そりゃもう悲劇のさなかの話なので、理不尽にどんどん人が死んでいく。同じスピルバーグ監督の「プライベート・ライアン」も見たけど、同じことだよね。戦争だし、「自分たちじゃない方」はころしたほうが正しいという時代と世界なわけだ。唯一死ななくてすむ方法は、「生かしておけば便利、使える、役に立つ」立場になる事だけ。利害関係だけよ。利害関係のない間柄では、弱くて武器を持ってない人間はきっかけや理由もなくころされてしまう恐怖にずっとおびえる状態が続いている。

だからもちろん、ポルトガル系ユダヤ人のイザックさんがころされないでいるのも「使える、使いたい」人間だからだという理由だったんですよね。最初は。

主人公はドイツ人のシンドラーさんで、お金儲けのためにやってきて「戦争を利用して、低予算で工場を建てて軍事需要にこたえることで安定した事業をし、タダで使える労働力を存分に活用するぞ!!」みたいにチャンスをつかもうとやってきたのですよ。

そしてイザックさんという、ユダヤ人に顔がきいて仕事の出来る人を捕まえて一緒に働き始める。最初はイザックさんが奔走するんですね。放置しておけば収容所へ連れていかれてしまう仲間たちをどんどん「技能者」に仕立て上げて、工場で働いてもらう。

ドイツ人とユダヤ人、イザックさんから見ても「この人はどういう人なのか?」とシンドラーさんのことを信用しきれないし、シンドラーさんも「ユダヤ人だけど使える労働力」という程度に考えているところから始まっているんだけど、それが段々信頼を得てともに協力して乗り越えていくところがまさに……バディものじゃないですか……

史実をもとにしていても、映画なのでそういう風に楽しんでもいいと思う。完全なノンフィクションでもないわけだし。

3時間もある映画は長いのだけど、外せない歴史の話をきちんと織り込んで、状況は日増しに悪くなっていき、もうこの世界で悲劇は避けられないのではないか? という不安を描いている。その中で、少しずつお互いに信頼を得ていくところが丁寧に描写されていると思う。

・シンドラーさんはなぜ周りのドイツ人たちに協力を得られたのか。

・非道な所長・ゲートにどう取り入って友人になり、交渉することができるほどの間柄になれたのか?

・収容されていた囚人たちがどうしてシンドラーさんを信じて、慕うことができたのか。

そういう大事なところがしっかり見られたと思うんですよね。他の人のレビューを読んでたら「長い、もっと短くもできたはず」という話もあり、まあそれはそうかもしれないけど丁寧に描くこともまた一つの手法だと思うんですよね……


ラスト

最終的には、シンドラーさんがリストにのせて「買い取った囚人」たちは逃げ切ったわけです。逃げ切ったというのは「生き残った」という意味で。

他の人のレビューには「ラストはとってつけたようなお涙ちょうだいのセリフ」と書かれていたけど、あれはシンドラーさんがずっと「言ってはいけなくて、自分にもウソをつきながら、持ちつづけていた本当の気持ちと後悔」なわけですよね……

メインビジュアルの赤いコートの女の子、あの子を見てから。あの子がシンドラーさんの「助けたいもの」として心に残って、そして助けられなかったものの象徴としてずっと存在していて、いま目の前の「うまくやらなければ失う」人々のことを何とかするためには、金もうけが大好きで囚人を利用して一旗揚げようとする人物を演じつづけていかなくちゃならなかった……

工場で働いていた人たちはシンドラーさんが自分たちのために動いてくれてることに気づいていたけど、行動の意図を確認しただけで壊れてしまうような危うい世界では本心を知ることもできなかったし、お礼を言ったり言われたりすることもはばかられた。別れの時にようやく、「お互いにわかっていた」ことを知って、そしてようやく本心を言える世界が到来したんですよ。だからシンドラーさんはあふれてきた気持ちを全部言ってしまったんですよ……「人を救いたい」とくちにしたり態度に出すと誰も救えなくなってしまうという緊張した世界がようやく終わったということなのです……


ラストのラスト

終わった後の世界について語られたところもよかったですね。このひとたちは存在したんだ。とひとつひとつ石が置かれるたびに実感します。


また観たいな。最初のほうによくわかんないシーンがあったから。確かに白黒で誰が誰だかわかりにくいのは難だ。あと見返したいときは長いのもちょっとひるんでしまうな。

原作小説も読みたい。しかしもしかして日本語訳は絶版? なんということだ。電子版も無いじゃないの。古本では読みたくないな~。英語で読むのはきついな。(てか私じゃむりだろ)