【映画】「鳥」見た

ヒッチコックの「鳥」(The Bird)みました。

タイトル、「The」なんだ。わかるようなわからないような。「A」じゃないのはなんでだろう。でもこういう場合に「A」なのもよくわかんないもんな。じゃあTHEでいいのか。

 

1963年の作品だそうです。もうすぐ60年になるってこと?ウオオ……

わりと60年代の映画も、洋画・邦画それぞれ見てるものがあるよ。あんまり古いかどうかって気にしないんですよね。今も見れるような映画だったらたぶん名作とか名監督の作品が多いんだろうし、見る価値はある。見る価値はあるとか言って思ったけど見る価値のない映画ってどういうのだろうね。思いつかないな。ひどい思想を刷り込まれる内容の映画とかだったら「みんな、これを見るな!」って思うかもしれないけど、ふつうに作品として完成してたらだいたい見どころとか見る価値があると思うですよ。

まあそれはさておき……「鳥」ですよ。

パニック映画である

まさに。

昔はいっぱいあったようなイメージ。親世代から聞く「印象的な恐怖映画」って、パニックになってるところが重要なのであって、映画らしいメッセージとか筋の通った脚本とか、そういうのいらないってのも一理あるなあと。

見た人の感想コメント見てると「監督がこの映画で伝えたいことは何なんだ?」みたいなのとか「メッセージがない」とか言われてるんだけど、それって必要かなあ。この「鳥」っていう映画は、つまり、

「なんか普段なじみのある鳥がさ、意味もなく人を襲ってくるようになって、しかもそれがいっぱいいたら怖くね?」

っていうのを映像化してみせてるっていうことだよね。だから全然問題ないのですよ。なんかちょっと恋愛とか人間関係とかも出てくるから、そこにメッセージとか解決すべき問題とかゴールする目標とかあるように感じちゃうんだけど、飾りですよ。何にも知らない人間が鳥に襲われて逃げまどってるよりは、ちょっと共感出来て人間味のある人が感情を持ってそこにいて、さらに「鳥から逃げてる」のがこわいわけよ。

今だったらむしろ、客観的な演出として、ニュース映像のように世界中で同時多発的に鳥が人間を襲うようになっている……なんだかわからないけどどんどん範囲が広がっているようだ……っていうのを見せるだけってのがこわいかもしれないね。4Dとかで観たいかも。いろんな方向から鳥が襲ってくる感じ。そういうアトラクション映像みたいな楽しみ方をすることができる映画だったと思いますよ。


筋がある、理解できる内容だろうと思ってこの映画を見ると最初から引っかかりまくりですよ。冒頭の物語のきっかけを追ってみると、

お嬢様でやんちゃなお金持ちの女性は九官鳥を買いにペットショップに来ていた。商品の確認で店員が席を外したところにナイスな男性がやってきたので、からかってやろうと店員のふりをして接客した。男性にはすべてバレていた上に逆にからかわれた。男性は何も買わずに帰ったけど、妹へのプレゼントとして欲しがっていた鳥を持って、明日家まで押しかけちゃおうと女性は考える。

サンフランシスコから車を長いこと走らせてようやく男が週末を過ごす家にたどり着いた女性、なんだかお互いに好きになっていた。結婚しちゃうかも。

みたいな話ですよ……好きになる要素がよくわからないもん。あえて言うなら

メラニー(女):美人。金持ち。イタズラ好きで行動力あり。誤解されやすいところがかわいいかもしれない。

ミッチ(男):イケてる。士業。家族思いで包容力もありそう。話せばわかってくれる。

って感じではあるけど……

あったばかりのミッチの元彼女とメラニーがあっという間に心通わせて友人になっちゃうのもすごい。でもまあこれはあるかもしれない。


英語の勉強にはなったと思う。聞き取りやすくて、しゃべってる内容も分かりやすく、「そういう時はこんな感じでしゃべるんだな」って思う箇所が多かったし、よく聞くと訳との違いや訳されてない場所なども聞き取れてその辺の違いを見るのも楽しい。みんな長いセリフをしゃべらない、軽い会話なのもよかったかも。

ホラーとしては今の映画に慣れていると映像がチープで、怖くないから怖いのが苦手な人にも安心できるかも? 鳥は出てくるけどこの映画を見て「鳥のイメージ悪くなった」ってこともたぶんないだろう。たくさんいると怖いかも。

鳥、動いてない偽物の鳥もたくさん設置されてるのがわかるから「アハハにせものがいっぱいだ」とも思うんだけど、むしろ本物の動きしてる鳥がどうやって撮影されてるのかがわかんない。足元にいる鳥とか、手すりや屋根にいる鳥の中に本物も結構混ざってるように見えるんだけど……

 

【追記】

映画の舞台になった場所の地図見てたら、THE BIRDS CAFE っていうカフェがあった。人気のカフェみたいだ。

裏側から見た方がわかりやすいか……でもなんかかすんでるな。

【映画】「ケープタウン(ZULU)」みた

amazonプライムビデオで見放題対象になっていて、長らくウォッチリストに入れていたものの見ていなかった映画が本日(5月6日)見放題最終日だったので見た。ちょうど何か見ようと思ってたところだったし。

ケープタウン(ZULU)

 

以下、感想(ネタバレ含む)

 

暴力、やくぶつ、性的なシチュエーションということでR15作品なんですが、容赦なかった……どんどんひとがしぬ……

南アフリカはケープタウンが舞台で、植物園で女性がころされているのが見つかったため警察が捜査を開始。主人公たちは警察の刑事たち。

まあ出てきたひとはみんなしんでしまうか何らかのぼうりょくに会うと考えてみててまちがいはないでしょう……何ていうか、物語には優しさというか甘さというか、「○○したら命は助けてやる」とか、こういう間柄の人は無残に殺されたりしないでなんかのちからが働いて命を取り留めるんだと思うじゃないですか。そういうの無いですよこの映画には……

序盤で、刑事たち三人はもともと親しかったようでホームパーティーをしたりするんですよ。そこで黒人警部のアリさんの部下の妻がアリさんたちの上司にあたる人を激しくののしるわけですよ。差別主義者で何人もの黒人をころしたやつだ、その後許されて以前よりお金も得ているなんて!と。それを聴きながらアリさんは複雑な気持ちになりつつも、「僕を登用したのもその人だし、マンデラ大統領はかつて”和解するためには敵と一緒に働くんだ、そうすれば仲良くなれる”と言っていたよ」とマンデラさんのことばを引用しながら「彼を恨んでいない、差別は過去のことだよ」というわけですよ。

そんなアリさんが……とてもいい人だったアリさんが……いい人なのを何度も踏みにじられ、正義を守っていたら結局大切なものをどんどん失っていき、復讐の鬼となってしまう……


でも、そんな心の動きは納得のいく描写だったな。そりゃそうだろってかんじだし、動機付けとしてはもっと早めに心を壊されてしまって復讐の鬼になるというプロットもあるだろうしありがちに思えるけど、この映画はもっともっと抑えた表現で、アリさんは最後の最後まで正しく悪と対峙しようとしていたように見えた。それは個人だけが背負っているわけではない、「過去」と「差別」との戦いのようにも見えた。でも数々の蹂躙と、過去の記憶・体験による「諦観」というか、結局この差別と現在の社会は「どうしようもないもの」なのだとあきらめてしまったのだろう。最後は個人的な理由で行動し暴力を暴力で返して、自分にもその果てに死が巡ってくることを受け入れてしまったというか……


あんまりにも救いがなかったし、ちょっと必要以上に恐ろしい場所のように「ケープタウン」を描いていたので最後の方は変な笑いが出て「オイオイw」って笑っちゃった……

ケープタウンのタウンシップとすぐそばにある素晴らしい景観と、都市と、富裕層が住む立派な家々と、きれいな浜と海、最後には移動してナミビアの広大な砂漠まで見れるので映し出される景色はすごくいいですよ。ギュッと詰まっててワタシ的にはすきな風景がたくさん見られてよかった~。

フランス映画なんだってことを見終わってから知った。英語とアフリカーンス語(と、もしかしたらズールー語)で会話が進むのでそのあたりも見どころ。

原題は「ZULU」なんですね。これもちょっと短すぎて「そんなタイトルでいいの?」って感じかなあ。 テーマはズールーの問題ってわけでもないし……だからと言って邦題の「ケープタウン」もいまいち……。「そこは神に見捨てられた街」っていうキャッチもひどいと思うよ。