2019/02/25 知識とか

昨日の国会図書館へ納本しに行った記事はお褒め頂いたりして大変うれしいです。ぜひ読んでみてください。


ところで、最近立て続けに

「○○って最近見ないね」とか「○○って聞いたことない(からマイナーなんだろう)」というコメントを見かけて、でも私にとってはどれも「そんなことないよ」って思うものだったので「やっぱり認知していない物事へは正しい評価ができなくなるな」という感想を持ちました。

私もですね、ぶっちゃけ「……私が知らないだけで世間では人気がある・有名・常識だって? ははは、本当にそうなら私の耳にも入って来るだろう。そうじゃないのだから実力がたりていないのだよ、本物は知ろうと思わなくても知ってしまうものさ」と思ったりすることもあるんですよ。

でもまあ……きっと大体の場合が強がりなんだろうなあと。

逆の立場で「オオイそれは大人気で今も君が知らないだけでファンがいっぱいいるよ!」とか「普通に生きてたら知ってるだろ!!」と思ってしまうあれやこれやのことを思うと、そういう風に「知らないこと」が私にもたくさんあるだろうと想像できるわけで……

100%の知名度のものは無いし……

ない……ないよね……なんかある?

にんじんとかですら「へえ~これニンジンっていうんだ、名前は聞いたことあるけどこれがそうだって知ったのは今日が初めてだ」って人もいると思うんですよ。いやホント。


だから、できればねえ、

「これを知らないなんて知識がなさすぎる。アンテナが低いどころの話じゃない!」

って怒ったり、

「聞いたことないからマイナーで不人気なんでしょ」

ってバカにしたり、

両方無ければいいのになって。

出来るだけ気を付けていこう……言いたくなる時あるけど……

国会図書館の食堂でごはんたべてきた

前回の日記のあとのはなしです。

国会図書館に同人誌を納本してきてみた。 – 藤村阿智の日記 ひぐらし BlackStrawberry_net
https://www.blackstrawberry.net/yoshida/?p=556

せっかく国会図書館に初めてきたので、利用者登録カードを作ろう!と思ったわけです。でも、あんまり下調べしていなくて、読んでみたい本とか思いついてなかったわけですよ。いくらかデータベースを検索したりして、「こんな本あるんだ~」とは思ったんだけど、まだ全然しっかり見られていないので、次にお預けかなと。

でもこのあと予定もないし、利用者登録カードを作っておくのはいいだろう。と思って、作ってみました。

国会図書館はいいですね、よくわかんない状態で行ってもたぶん大丈夫だと思います。案内が丁寧なので指示通りに動けばよいのです。利用者カードの新規登録申請の紙を受け取って、記入して、身分証明書を添えて提出するだけでできちゃいます。少しだけ待ちます。10分ぐらいってことだけど、私の時はそんなに待たなかったかな。


カードを作ったので、読みたい本は思いついてないけど、売店と食堂へ行こう。と思い立つわたし。売店がとにかく好きです。あとおなかがすいていた。食堂があることは知っていたのですよ。ただ、入り方に不安があった。「どこにも書いてないけど、たぶん利用者カードが無いと入れないんじゃ……」

ざっとしらべた限りでは誰も言及してなかったので、ここに記します。

食堂・売店を利用したいだけでも、カードで入場した先にあるのでカードが必要である

新規登録は新館の方で受け付けてくださるのですが、食堂は本館です。そこまでは調べてあったので、新館の方のロッカーに荷物を預けるように案内いただいた時に

「本館の方に行きたいので、本館のロッカーに預けることも可能ですか?」

と聞いたところ、「もちろんです!ロッカーは複数ありますので、どちらに預けてくださっても構いません!」と優しい笑顔でご案内いただいたのですが、

あとで気づいたのですが……新館と本館つながってた……新館で預けても全然問題なかった、っていうかそっちの方が移動距離的には少なく済んだ。まあ本館の入り口から入るという経験もできたからいいってことにしよう。しかしはずかしい。本館原理主義だと思われたかもしれない。


国会図書館の中なので、カバンは持ち込めないです。でも売店や食堂行く人は財布を忘れずに、っていうかまあ貴重品だから手荷物として持ち込むか。透明ビニールが用意されているので、それに財布と電話ぐらいは一応入れて持ち込む感じですかね。カメラは持ち込めないので預けておいちゃった方がいいですね。

建物内は寒くないので、上着もロッカーに入れば入れてもいいかも。私はマフラーだけ邪魔なので預けましたが、上着も預ければよかったかもな。

で、エレベーターで6Fへ。売店と食堂があります。食堂は誰でも入れるけどほんとにスタッフ向けというか、職員用の食堂~!って感じでした。
食券を購入して、カウンターでわたして、出てきたら受け取って好きな席へ。最初にお盆を持っておいた方がいいです、私ひとり持つのを忘れて慌てて取りに行ってるすきに注文した料理が出てくるという、なんとも間の悪い感じになってしまった。

ラーメンを食べたのですが、残った汁は給湯室で捨ててくださいって書いてあって、給湯室がわかんなくて焦った。食堂を出て、売店も超えるぐらいまで食堂から離れたところにある小さな部屋の中にあるのです。

「給湯室……どこだ~」ときょろきょろしてたら、すれ違った人に「下膳棚は食堂の中にありましたよ!」と教えていただいたり(笑)
「いや、汁は給湯室で捨ててくださいって書いてあって……給湯室何処かな~と思いまして」
「そうなの?そりゃしらないや~」
というちょっと恥ずかしいやり取りを(笑)

(あとで得た情報によると、給湯室で捨てるのは売店で購入したカップ麺などの汁を捨てるときの話のようで、食堂のラーメンとかはそのまま下膳棚に下げても大丈夫なようです……)

ご飯食べた後は、一応ぐるっと1F(2Fだっけ?)の回廊をひとまわりして、雰囲気を堪能してから外に出ました。次はなにか資料を見てみたいと思います。

館内の写真撮影ができないため、文字だけの記事になりました!

 

国会図書館に同人誌を納本してきてみた。

国会図書館と言えば、日本の出版物がいっぱい保管されているところ。しかもずっと保管される。読みたい人は読むこともできる。

出版物と言っても、すごく売れた本や雑誌だけでなく、同人誌も保管してくれるんですって。というか、不特定多数に頒布されたような出版物は納本する義務があると。同人誌も、そんなに部数が多くないとはいえ、不特定多数に頒布してるわけですよ。とくに私の本は同好の士に向けた内輪向けの冊子ではなく、多くの人が読んでくれたらいいな~と思って作成していますからね。条件には合っていますよね。

うちの同人誌一覧です。
https://www.blackstrawberry.net/book/index.html

もう在庫がないものや、そもそもコピー本だったりするものについては持っていきませんでした。在庫があるものを過去の分まで。なんだかんだで33冊も持ち込んでしまいました……1種2冊持っていくと関西にも置いてくれるそうで、せっかくなので2冊ずつ。1種はもう在庫が1冊だったのでそれだけを。17種類ということでしょうか。


これらを持っていくぞ~。近刊だけにするかもしれないと思って、写真のものはとりあえず2018年に発行したもの……

国会議事堂前駅で降りて、国会図書館へ向かう。

この辺わりと空が広いんですよね。国会と、その関連施設が集まってるということですっきりしているし。あと警察の人が要所要所に立っている。

納本制度|国立国会図書館―National Diet Library
http://www.ndl.go.jp/jp/collect/deposit/deposit.html

納本に当たってちゃんと下調べをしました。恥ずかしい思いをしたくない。同人誌を納本したお仲間もたくさんいらっしゃるようで、それらの記事もありがたく読みました。なので私も記します、「納本は利用者入り口ではなく、西口から入る」ということを。

で、皆さん「納本に来ました~」と、上記の西口の写真をUPされているのですが、私はこの写真で勘違いをしていまして。
「いくら通用口だからって、こんな小さな、茶室に入る感じのせまい入り口にしなくても……」と……
「洞窟みたいな入り口だ。わくわくするな。」って、思うじゃないですか……あの、写真に写ってる小さい穴みたいなのは、入り口じゃなくて門をしまっておくための穴?なんですよ!(こんな思い込みは私だけだろうか)この穴には入らず、その石垣に沿って奥へ入ってください! そして建物に入るのです!

入ると警備員の方が阿吽の像のように立っていらっしゃって、たぶん目が合うので

「納本に来ました」と言えば、受付するように促してくれるでしょう。
受付の方には「入口はこっちじゃないんですよ」と言われましたが、その時も警備員の方が「納本の方です!」と助け船を出してくれたので、安心できました。もしひとりだったら「え、えと……あの、、わかりました、、」って外にでて「わーん、納本チャレンジ失敗だよ~」と泣いて帰るところです……。

受け付けでは指示通りに台帳へ記入し、教えて貰ったルートで納本カウンターへ向かいます。

納本カウンターではベルを鳴らせばすっと係の方が出てきてくださいます。

「のうほんに来ました!」と告げて、本をだして、見てもらって、受領書に必要事項を書きこんで提出すれば終了です。

希望すれば納本時に「代償金」というお金が、冊子代金の半額支払われるそうなのですが、私も近年のものだけでもやってみようかなと思いましたが、ちょうどお昼時だったこともあり、その担当の方がお昼休みだと言われてしまって。お昼休みあけまで待つ!!!とも思ったけど、一応費用も税金から出てるわけだしなあ~と思いなおして全部寄贈することに。とりあえず国会図書館で永く保管してもらうというのが今回の目的でありますからね。

受け取っていただいたので、このあと何にも問題が無ければデータベースでも検索できるようになると思います。

一応納本の義務があるとはいえ、万人にやった方がいいと言えるかと言えば、そうでもないというか、作ってる本によってはそんなに長く残っても困るって場合もあるでしょう。だからまあやりたい人がやればいい(同人誌については)と思うのですが、私はちょっと「これは意識が変わるなあ」と思いました。

国会図書館がどれだけこのあとも続いていくのか、日本はどれぐらい続いていくのかわからないですが、とりあえず日本が終わったり、国会図書館をやめたりしない限りは私の書いた本が残るわけです。漫画とかもこれで残ります。私は出版社から本を出していないから、今までほとんど残るあてもなかったのだけど(一部出版社の発行物に記事を書いているので、これまででもゼロではなかった。でも自分で納本しようと思うまではそのことに思い至らなかった)。

文房具の同人誌なんかは、もしかしたら私しか記録していない文房具や、文房具を使った感想もあるかもしれない。そしたら、将来・ずっと未来の人が、〇年前の文房具ってやつを使ってた人の感想はどうだったのかな」って思った時、国会図書館で「おっ文房具の本があるぞ。こういうこまごました分類があって、ニッチな商品までいろいろあったんだな」って思うかもしれないじゃないですか。

私自身も、いまから300年前の道具とか、もっと昔の道具とか、どういう気持ちで使ってたか知りたいって思うことありますし。いまは当たり前のものが出てきたときの人々の反応とか、もうなくなってしまったものを使っていた人の話とか。

漫画ももしかしたら読まれるかもしれないし。誰も興味を持たなかったら、ずっとずっと眠るのかもしれない。それはそれでいいかな。

とにかく、今後なにか同人誌を作るときは、「これを国会図書館に納本して、ずっと残すんだ」と思ったら、描く内容も変わっていきそう。私と一緒に眠る、私の言葉や、愛した道具たち、物語。なんかワクワクします。

いつも読んでくださる読者さんのことを考えて書いていたけど、加えて未来に読むかもしれない誰かのことも考えてみたいと思います。


【関連記事】

国会図書館の食堂でごはんたべてきた – 藤村阿智の日記 ひぐらし BlackStrawberry_net
https://www.blackstrawberry.net/yoshida/?p=562


【参考にしたサイト】

納本制度|国立国会図書館―National Diet Library
http://www.ndl.go.jp/jp/collect/deposit/deposit.html

国立国会図書館に同人誌を納めに行ったよ。 | 夕立ノート
https://mofday.info/national-diet-library-doujinshi/

国会図書館に、プリキュア同人誌を納本しました。 – プリキュアの数字ブログ
http://prehyou2015.hatenablog.com/entry/kokkaitoshokan

技術同人誌を国立国会図書館に納本しました at www.morihi-soc.net
https://www.morihi-soc.net/?p=1135

 

【漫画の感想】聖☆おにいさん12巻

聖☆おにいさん12巻を読んだ。

もう16巻まで出てるんだけど、いまさら12巻です。

本の通販はhontoを愛用している……いた……のですが、前は送料無料だったのが、3000円以上じゃないと送料がかかるようになったんですね。

こまごま買えない!!……っていっても毎回2500円ぐらい買ってたんですよ。なんだかんだで2500円ぐらいにはなってたのに、3000円買うってなると後一冊がなかなか見つからない。

なので、3000円に到達しないときに、買い損ねている既巻とか「いつか買おう」と思ってる本を追加する。で、なんか3000円って言うと多い気がして、いま月に一回しか買ってないんですよ。hontoで。どうしても欲しい本があって、ほかの本で合わせて買うようなものがない時は、なんと楽天ブックスで買うようになってしまいました。送料が無料なので。これでいいのか? あんなに、ほとんどすべての本をhontoで買っていた私なのに……こういうところから離れて行ってしまうんですね……送料がかかるのは別にあたりまえのことだし、むしろゼロ円はおかしいなっておもうんですけど、それでも送料を払うことで結局1冊買える本が少なくなるんですよ、金額的に。


ぜんぜん漫画の感想が始まらず、愚痴を書き連ねてしまった。

で、「あとで買おう~」と思ってたリストから「聖☆おにいさん」12巻を購入したわけです。11巻までは新刊出るたびに買ってた気がするな。好きなんですけど、巻を重ねていった頃に「なんか内輪受け(天界の人々が仲良くやってる感じが)で楽しいって感じで私ついていけなくなっちゃったな」と思い始めてですね、なんとなく買ってなかったんですよ。

12巻は、久しぶりに読んだからなのか、そんなに内輪受け感がなくてよかったです。私の知っているブッダとイエスの知識でも十分ついていけて笑える感じ。どっちの宗教にも詳しくない(手塚治虫のブッダと、花まつりの時にもらった漫画版「おしゃかさま」的な本が仏教の知識で、キリスト教は一応聖書を通しで一回読んだことがある程度)ので、ブッダとイエス以外が出てくるとちょっとわかんなくなっちゃうんですよ。手塚治虫のブッダで見た人たちはわりと覚えててついていけるかもしれない。

12巻で面白かったのは部屋に観葉植物を置く話かな。あとイケアにいく話。

毎回、1個だけじゃない宗教ネタを絡めてくるからすごいなあと。この構成むつかしそう。普段からネタ帳にすごくいっぱいメモってるに違いない。

 

 

【漫画の感想】明日も未解決(桑田乃梨子)

都度都度言ってるけど私の、ずっと、すごく好きな漫画家さんであるところの桑田乃梨子さんの漫画。改めて読み返したので。

明日も未解決

良かった。

まあファンだからってのもあると思うけど……

ファンとしてもうれしいんですよね。最初好きになったころの名作

「おそろしくて言えない」

……あたりの、モブモブしさというか(いや、やっぱり当時ほどでは無いんだけど、でも)
教室のにぎやかさというか何と言うか。私の好きな学園生活のあの雰囲気が感じられてすごく懐かしくて、良かった。

私は桑田乃梨子さんの描く、教室の中の人たちがそれぞれなんとなく「同じ空間にいる仲間ではある」というぐらいの緩いつながりと適度な距離感で存在していて、部活動や親しい友達だけの塊もそこでいくつか存在して、一人がいろんな仲間に所属してって言うのが感じ取れる学生生活ってのが好きなわけですけど。
派閥があるわけでも、「誰の本当の友達なのか?」っていうドロドロしたいさかいがあるわけでもない、理想だけど実は現実にはあり得ないかもしれない世界。

自分の学生自体を思い出して懐かしがっているのじゃなくて、たぶんこの桑田ワールド(たまに煽り文句とかに書いてある気が……)の一員になりきって、この25年以上桑田乃梨子さんの漫画を読んできたからこその懐かしさというか。そういうものを感じているんだと思うのですよ。わたしもモブの一員だったと。


久しぶりに漫画の感想とか描いてるとほんと自分のことばっかり書いちゃう……
アカン。


「明日も未解決」は、まず冒頭から吉元の親友・原田が死んでしまう。
原田は「なにか、吉元にいおうとおもってたこと」があるのが心残りになり、葬式に来た吉元の後ろに憑いてしまったようだ。吉元にはそんな原田の声が聞こえるようになるが、姿は見えない。そして原田はどうしても「言いたかったことがなにか」おもいだせない。

なんとか心残りを遂げさせて、原田に成仏してもらおうと、霊感のある嵐柴や他のクラスメートたちに見守られながら、今日も・明日も未解決な難題に立ち向かうのだった……

というお話。

まあクワタンのお話だから暗くも湿っぽくもならないよね。すっとその状況を受け止める主人公・吉元くんと、焦るでもなく飄々と憑き続ける原田くん。死の悲しみと、霊になって吉元についてることに戸惑いながらも見守るクラスメートたち。

いつも「すごいなあ」と思うのは、ほんとに突飛なところのないキャラクターデザインで、いわば「いつものクワタンのキャラ」だとは思うんだけど、でもほかの作品の誰とも同じではないキャラクターがまた生まれているということ。
まさにクラスメート。同じ地域に育って、同じ年齢で、同じ性別でもひとりひとりが違うって言うその些細な違いが、無理なく伝わってくる感じが。すごいことだと……思うのです……

毎回「今日も、吉元に言いたいことは思い出せなかったなあ」という感じで原田は成仏せずに終わるんだけど、少しずつ関係や状況は変化していく。新しいつながりも深まっていき、明日がなくなったもの、明日があるものの隔たりが、変えたくなくても徐々に生まれてくる予感がある。


短編が多いということもあるけど、桑田乃梨子さんの漫画はたぶん私が読んだまんがの中で、一番「終わりを見届けた」漫画だし、もうその終わり方は信頼している。今回の終わりも本当によかった。一番最初に登場人物が死んでいて、もう大きなお別れがあったというのに、それからの出来事しか知らない読者である私がいつの間にかこのラストに胸を打たれて、じんわりと静かな、声を上げない涙を流してしまう。

そういえば、桑田漫画のラストで「この人たちの関係はこのあともこんな感じで続くんだろう」という終わり方のものは無い気がする。いつでもなにか大きな変化が、ずっと今のままではいられない現実をしっかり伝えてくる。ただし、それぞれがそれぞれの未来を得ていく終わりは、決して暗いものではない。

それは学校からの「卒業」にもにて、それで晴れ晴れとした悲しみを感じてしまうのかもしれない。