ことしのサンタは悩んでいました。
アッくんは、プレゼントが苦手なのです。
とくに箱に入った得体の知れないプレゼントはあけないのです。
理由はいろいろあるのです。
ひとつ、アッくんが昔友達からもらった箱には、蛙が入っていたこと。
ふたつ、きれいな箱でワクワクしたのに、中身はびっくり箱だったこと。
みっつ、おおきなつづらには気持ちの悪いものが入っていたという話しを聞いたこと。
そんな気味の悪いものを開けるのは誰だって嫌です。
アッくんはもう、なにを開けるのも信じられなくて、引き出しやドアを開けるのも怖いのです。
サンタさんがきたら追い返してやろう。
きっと、きもちわるいものを箱へ盛りだくさんに詰め込んで、
僕に渡しにくるんだから。
アッくんがそんな調子で、ずっとベッドの上で頑張っているので
サンタさんに変装したパパも困っていました。
手には、ロボットのオモチャを持っています。もちろん箱にはいれずに!
もう夜も遅くなった頃です。「あ!」と、アッくんが小さく言いました。
コンコン、とサンタさんが窓を叩いているのです!パパもビックリして腰を抜かしました。
「僕は、プレゼントはいらないよ。他の子にあげてよ」
アッくんはサンタさんをまどから引っ張りあげながら、そう言いました。
「他の子にこのプレゼントは必要ないんだよ。
ほら、これが君へのプレゼントだよ」
サンタさんが箱を差し出しました。
「いやだ!そんな箱、あけたくないもん!」
アッくんはびっくりして、箱から目をそむけました。
「ほぅら、よくみてごらん、箱の中身を」
箱の中にはなにも入っていません。
「なにも入ってないだろう?そうだよ、この箱が君へのプレゼントなんだよ。
この箱には、君が自由に君の好きなものを詰めることができるよ。
大好きなものを入れるといい。この箱を開けることが、君の楽しみになるように」
アッくんはとっても安心しました。
からっぽの箱なんて、あったんだ。
箱には必ずなにかが入っているから、それが嫌いなものだったら嫌だから開けるのが怖かったんだ。
「うん!大好きなもの、たーくさん入れるよ!ありがとう!」
アッくんは喜びました。サンタさんに抱き着いてお礼を言いました。
「さぁ、アッくん、そろそろ眠ろうか。」
「うん。ありがとう、サンタさん。」
「あした目が覚めたら、箱に入れる大好きなものを探そうね。」
「うん。あしたになったら、パパがロボットをくれるから、さいしょにそれを入れるよ!」
部屋の外で腰を抜かしたままのパパは、幸せな苦笑いをしました。
end
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