-ブラックエホン-


5つめのおはなし

「おかえりわん太」


わん太、ステキなかごをご主人様にもらったよ。

よろこんでかごに入ったわん太。くんくん。

なんかとってもいいにおいがするんだ。

まいにちまいにち、そのにおいをかいでいたわん太だけど。

ふと、こんなにおいのするものに、あいたくなったんだ。

そのよるわん太はこっそりおうちをぬけだして、そのにおいをさがすたびにでたの。

なんにちもなんにちも、においをさがしたよ。

でも、においのかけらもみつからないんだ。

わん太のたびがはじまってからなんにちたったんだろう。

わん太は、あるいているんだけど、どこだかわかんない。まいごになったんだ。

もうつかれちゃって、みぎあしが、ひだりあしよりひだりにいっちゃうくらいふらふらなんだ。

そのとき、あのいいにおいが、ちょっとだけしたようなきがして、わん太はそっちにむかってあるきだしたよ。

そこはちいさなおはなやさんだったんだ。

いいにおいが、おうちのあったかいかごに包まれているみたいにふわふわしてる。

そのにおいはわん太にこういうんだ。

「おかえり、わん太。」

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